認知症の種類 アルツハイマー型・血管性・レビー小体型・前頭側頭型
認知症とひとくちにいっても、原因となる病気はひとつではありません。 病気によって、脳に起きている変化も、あらわれ方も異なるとされています。 この記事では、代表的な4つの種類と、原因を取り除くと改善しうるものについて説明します。
認知症の4大疾患
認知症は、認知機能(記憶、見当識、判断、遂行機能など)が、 日常生活に支障を来す程に異常になった状態とされています。単なる加齢による低下ではなく、実生活への影響があるかどうかが判断のポイントとされています。
認知症の原因として最も多いのはアルツハイマー型認知症で、半数以上を占めるとされています。 次に頻度が高い病気として、血管性認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症があります。 これらをあわせて、認知症の4大疾患といいます。
血管性認知症以外の認知症に共通しているのは、脳に異常な蛋白質が溜まっていることです。 どの蛋白質が溜まるかは、病気によって異なるとされています。
アルツハイマー型認知症
アルツハイマー型認知症は、認知症の原因として最も多く、半数以上を占めるとされています。 脳には、老人斑と神経原線維変化と呼ばれる変化がみられるとされています。
蓄積する異常な蛋白質は、アミロイドβとタウとされています。これらの変化は、画像検査などを含む医療機関での評価を通して調べられます。
血管性認知症
血管性認知症は、4大疾患のうちアルツハイマー型に次いで頻度が高い病気のひとつです。血管性認知症では異常な蛋白質の蓄積はなく、血管障害が主な原因とされています。
この点で、脳に異常な蛋白質が溜まるほかの3つの病気とは成り立ちが異なります。
レビー小体型認知症
レビー小体型認知症では、次のような症状がみられるとされています。
- 幻視(実際にはないものが見えること)
- パーキンソン症状と呼ばれる、体の動きに関する症状
- 起立性低血圧(立ち上がったときに血圧が下がること)
蓄積する異常な蛋白質は、αシヌクレインとされています。 ここに挙げた症状は、この病気でみられるとされているものです。 あてはまる様子があっても、それだけで病気の種類が決まるわけではありません。
前頭側頭型認知症
前頭側頭型認知症は、「我が道を行く」的な行動が特徴とされています。 蓄積する異常な蛋白質は、タウやTDP-43とされています。
ご家族から見ると、もの忘れよりも行動の変化のほうが目立つ場合があります。 こうした違いも、医療機関が種類を見立てるときの材料のひとつになります。
原因を取り除くと改善しうるもの
認知症のなかには、原因となっている体の状態に対処すると改善しうるものがあります。 こうしたものは「治る認知症」と呼ばれています。
- 慢性硬膜下血腫
- 正常圧水頭症
- 甲状腺疾患
- ビタミン欠乏
正常圧水頭症は手術で、甲状腺機能低下症は薬物治療で改善しうるとされています。どの原因が関わっているかを調べられるのは医療機関です。 気になる変化が続く場合は、かかりつけ医や医療機関にご相談ください。
種類を見分けるのは医療機関の役割です
ここまで種類ごとの特徴を挙げましたが、ご家族が種類を見分ける必要はありません。認知症の段階では、4種類すべての異常な蛋白質が観察された人が20%という報告があります。つまり、複数の病気の変化が重なっていることもあるとされています。
種類の見立て(鑑別)は、診察や検査をもとに医療機関が行うものです。 ご家族の役割は、日常でどのような変化に気づいたかを伝えることです。 気づいたことを記録する方法は、親のもの忘れが気になったらで説明しています。
気づいた変化を整理してみる
認知症の気づきチェックは、ご家族が日常の様子を思い浮かべながら答える11項目のチェックです。種類を見分けたり診断をしたりするものではなく、受診や相談の場で様子を伝えるためのメモとしてお使いいただけます。登録不要・無料で、入力内容が送信されることはありません。
出典
本記事は、次の公的機関・学会等が公表している一次情報をもとに作成しています。
- 認知症の原因(国立長寿医療研究センター)https://www.ncgg.go.jp/dementia/cause/
- 認知症って何?アルツハイマー病と違うの?(国立長寿医療研究センター 研究所)https://www.ncgg.go.jp/ri/labo/30.html
- 認知症とは? 認知症の症状や相談窓口について(さいたま市)https://www.city.saitama.lg.jp/002/003/003/004/002/p089964.html