血糖値とHbA1cの基本 高齢の方の目標の考え方
血液検査の結果表には、血糖値とHbA1cという2つの項目が並ぶことがあります。 名前は見かけるものの、違いが分かりにくい項目です。 この記事では、2つがそれぞれ何を表しているのかと、 高齢の方では目標を個別に考えるとされている理由を説明します。
血糖値が表すもの
血糖値は、血液の中にあるブドウ糖の量を表す検査値です。 採血をしたその時点の状態を映しています。
血糖値は、採血時間の影響を受けやすい値とされています。食事からの時間などによって、同じ日でも値が変わります。 そのため、いつ採血したかという情報とあわせて読まれます。
HbA1cが表すもの
HbA1cは、赤血球内の酸素を運ぶ主要な血色素であるヘモグロビンA(HbA)に、 血液中のブドウ糖が結合して離れなくなったものです。 検査では、ヘモグロビン全体に対して糖化ヘモグロビンがどのくらいの割合で 存在しているかを、%で表します。
HbA1cは、過去1〜2カ月の平均的な血糖値を反映するとされています。なお、日本の日常の診療で用いるHbA1cには、2012年4月1日からNGSP値が 用いられています。NGSP値は、国際的な標準化にもとづく表記です。
2つは何が違うのか
血糖値は採血したその時点を表し、HbA1cは一定の期間の平均を反映します。 2つは、みている時間の幅が異なります。
血糖値は採血時間の影響を受けやすい一方、HbA1cはそうした影響を受けにくいとされています。そのため、2つの値はそれぞれ別の情報を伝えています。
どちらの値をどう受け止めるかは、他の検査やこれまでの経過とあわせて、 主治医が総合的に判断します。 結果表の数値だけで、ご自身で判断しないようにしてください。
高齢の方では目標を個別に考えます
高齢の糖尿病患者では、年齢や認知機能・身体機能、併存疾患、 重症低血糖のリスク、推定される余命などが、方によって様々です。そのため、一律の目標設定が困難であるとされています。
治療目標は、年齢、罹病期間、低血糖の危険性、サポート体制などをふまえて 設定されます。高齢者では、認知機能や基本的ADL、手段的ADL、併存疾患なども 考慮して、個別に設定するとされています。 ADLは、日常生活を送るうえでの動作を指します。
この記事では、目標の数値そのものは示していません。 ご自身の目標については、主治医にご確認ください。
低血糖に気づきにくいことがあります
高齢者では、低血糖のときであっても、次のような現れ方をするとされています。
- 発汗・動悸・手のふるえなどの低血糖症状が出現しにくいとされています。
- 頭がくらくらする、目がかすむ、ろれつが回らない等の症状を示すとされています。
典型的でない症状を示すため、低血糖が見逃されやすいとされています。気づかれないうちに、重症な低血糖に至ることがあるとされています。
低血糖のときの対応は、お一人おひとりで異なります。 あらかじめ主治医と決めておいた対応に従ってください。 いつもと違う様子がみられた場合は、かかりつけ医・医療機関にご相談ください。
検査値を記録して変化をみる
血液検査の記録・相談(腎機能)では、クレアチニン値を記録して、腎臓のはたらき(eGFR)の変化をグラフで確認できます。記録できる検査項目は腎機能です。登録不要・無料で、入力内容が送信されることはありません。
出典
本記事は、次の公的機関・学会等が公表している一次情報をもとに作成しています。
- 高齢者と糖尿病(糖尿病情報センター(国立国際医療研究センター))https://dmic.jihs.go.jp/general/about-dm/080/070/01.html
- ヘモグロビンA1c / HbA1c(厚生労働省 e-ヘルスネット)https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/dictionary/metabolic/ym-066.html
- HbA1cの国際標準化と表記(糖尿病情報センター(国立国際医療研究センター))https://dmic.jihs.go.jp/general/infomation/020/info_07.html