訪問診療と往診の違い
「訪問診療」と「往診」は、どちらも医師が自宅に伺う診療のため、混同されやすい言葉です。 制度の上では、この2つは別のものとして扱われています。 この記事では、それぞれがどのような診療を指すのか、 どこが違うのかを順番に説明します。
訪問診療とは
在宅患者訪問診療とは、居宅において療養を行っている患者さんのうち、 通院が困難な方に対して行う診療を指します。 ご本人の同意を得たうえで、計画的な医学管理の下に、 定期的に訪問して診療を行うことをいいます。
「訪問診療の実施」も、在宅療養を行っており、疾病・傷病のため通院が困難な患者さんに対して、 定期的に訪問して診療を行うことと説明されています。訪問診療の中心にあるのは、計画を立てて定期的に伺うという考え方です。
在宅時医学総合管理は、在宅療養支援診療所(在支診)または在宅療養支援病院の医師が、 通院が困難な患者さんに対し同意を得て、計画的な医学管理の下に、 月2回以上の定期的な訪問診療を行うことを指します。
往診とは
往診は、患者さんやそのご家族などの求めに応じて、 医師が患者さんの自宅に赴いて診療を行うことです。 終日対応することができる往診は、どの時間帯でも求めに応じて赴いて診療を行うものです。 終日対応ではない往診は、24時間ではありませんが、 通常の診療時間帯において求めに応じて赴いて診療を行うものです。
往診料は、患者さんやご家族等から電話などで医療機関に対し直接求めがあった場合に、 必要に応じて速やかに患者さん宅に赴いて診療を行ったときに算定されます。往診は、あらかじめ決めた予定ではなく、そのつどの求めに応じて行われる診療です。
2つはどこが違うのか
2つの違いは、あらかじめ計画されているかどうかに整理できます。
- 訪問診療は、医師が計画的・定期的に患者さんのお宅を訪問して行う診療です。
- 往診は、状態が変化した場合など、患者さんから依頼があった際に、 医師が随時訪問して行う診療です。
制度の上でも、この2つは別の行為として区別されています。 在宅医療の体制を把握する指標には、「往診を受けた患者数」と 「訪問診療を受けた患者数」が別々に掲げられています。 費用の計算方法も別になりますが、その仕組みは訪問診療の費用の仕組みで説明しています。
急に具合が悪くなったとき
往診は、時間帯を問わず発生しうる行為として制度上扱われています。 制度には、緊急往診加算・夜間往診加算・深夜往診加算・休日往診加算といった、 時間帯や緊急性に応じた項目が設けられています。
急変時の対応としては、24時間いつでも往診や訪問看護の対応が可能な、 連携体制の構築が求められています。急に具合が悪くなったときにどこへ連絡するかは、 利用している医療機関にご確認ください。
相談するとき
定期の訪問がどのような頻度になるのか、急なときの対応がどうなるのかは、 利用を検討している医療機関にお尋ねください。 体制は医療機関によって異なる場合があります。
体調について気になることがある場合は、かかりつけ医・医療機関にご相談ください。 訪問診療や訪問看護を利用している場合は、 ふだんの様子の変化を担当者にお伝えください。
費用の目安を計算してみる
費用シミュレータでは、お住まいの形態・訪問回数・負担割合を選ぶだけで、1か月の自己負担額の目安を概算できます。訪問診療と往診のどちらにあたるかを判定するツールではありません。登録不要・無料で、入力内容が送信されることはありません。
出典
本記事は、次の公的機関・学会等が公表している一次情報をもとに作成しています。
- 医療情報ネットの用語解説(医療)(厚生労働省)https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/001239485.pdf
- 在宅医療について(奈良県)https://www.pref.nara.lg.jp/n081/54295.html
- 在宅医療の体制構築に係る指針(厚生労働省)https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/001006833.pdf